筋力トレーニングを始めるとき、多くの人が一度は考える疑問があります。
一人でやるのと、トレーナーに指導してもらうのでは、どちらが効果的なのか?

この問いに対して、科学的に検証した研究が発表されました[1]。

今回はその内容をもとに、トレーナーの有無が筋力トレーニング効果にどのような違いをもたらすのかを、分かりやすく解説します。

1. どんな研究

この研究では、少し筋力トレーニング経験のある男性たちに12週間、筋トレをしてもらい、その効果を比較しました。

参加者を2つのグループに分けました。

グループ分け
  1. トレーナー指導グループ:全ての筋トレをパーソナルトレーナーについてもらって実施。
  2. 自己管理グループ:最初に一度だけトレーナーから説明を受けたあとは、全部一人で実施

トレーニング内容は、どちらのグループも全く同じで、計画的に負荷を上げていく本格的なメニューでした。

2. 結果:筋力の伸びにハッキリ差が出た!

12週間後、両グループとも筋力はアップしましたが、その伸びにはハッキリとした差が出ました。

スクワットでの筋力
  • トレーナー指導グループ:33%向上
  • 自己管理グループ:25%向上
ベンチプレスでの筋力
  • トレーナー指導グループ:22%向上
  • 自己管理グループ:15%向上

スクワットもベンチプレスも、トレーナー指導グループの方が大きな成果が出ていました。

つまり、同じ期間、同じメニューをこなしても、トレーナーがついた方の筋力の伸びが大きかったことになります。

3. なぜトレーナー指導の方の筋力が伸びたのか

では、なぜこんなに筋力に差が出たのでしょうか。

この差が生まれた最大の理由は「トレーナーによるトレーニング負荷の適切な引き上げ」にあると指摘されています。

トレーナーがついた方の筋力の伸びが大きかった理由
  1. プロの目による調整: トレーナーは、本人の疲労度やフォームの正確性を見極め、適切なタイミングで「もう少し重い負荷でやってみましょう」と背中を押してくれます。
  2. 自分では気づけない限界: 一人でトレーニングをすると、無意識のうちに自分に甘くなったり、逆に無理をしすぎてフォームが崩れたりしがちです。
  3. 安全な追い込み: トレーナーによる適切な補助があることで、安全を確保しながら高い強度のトレーニングをやり遂げることが可能になります。

4. 体の変化も大きかった!

体組成にも違いがありました。

体組成の変化
  • トレーナー指導グループ: 体重と除脂肪体重(筋肉量の指標)が増加しました。
  • 自己管理グループ: 体組成に大きな変化は見られませんでした。

より重い負荷でトレーニングできたことで、トレーナー指導グループの方が、より筋肉がつきやすかったと考えられます。

まとめ:パーソナルトレーナーは「結果への近道」!

今回の研究対象は、すでに1〜2年のトレーニング経験がある中級者の男性たちでした。

ある程度、筋トレに経験があっても、プロの指導が入ることでさらなる成長が引き出されたというのは非常に興味深いポイントです。

「最近、重量が伸び悩んでいる」「もっと効率よく筋肉をつけたい」と感じている方は、一度パーソナルトレーニングを検討してみてはいかがでしょうか?
プロによる「負荷のコントロール」と「適切なアドバイス」が、あなたの眠っている可能性を引き出してくれるはずです。

参考にした文献
[1] MAZZETTI, S. A., W. J. KRAEMER, J. S. VOLEK, N. D. DUNCAN, N. A. RATAMESS, A. L. GÓMEZ, R. U. NEWTON, K. HÄKKINEN, and S. J. FLECK.
Med. Sci. Sports Exerc., 32 (6): 1175–1184, 2000.